所得税の計算
次はボーナス(賞与)にかかる所得税の計算についてです。ボーナスから差し引かれる税金は「源泉所得税」となりますが、賞与から住民税は差し引かれないのが月額給与とは違う点です。
計算方法は社会保険料とも異なります。社会保険料の場合は原則額面を基準にしていますが、源泉所得税は前月の社会保険料控除後の給与が基準となります。前月の社会保険料控除後の給与が30万円とします。扶養親族が1人の場合で算定してみましょう。
源泉徴収税額表の「賞与の金額に乗ずべき率」の欄を参照すると、6.126%と記載されているはずです。従って、今回支給される社会保険料控除後の賞与に、この料率で計算すると、源泉所得税額は、「(50万円-7万5920円)×6.126%で、2万5979円となります。賞与の額面が50万円あったとしても、社会保険料が7万5920円、源泉所得税が2万5979円で、これらを差し引くと、手取りは40万円以下まで下がります。
さて、源泉徴収票のどこに賞与は書いてあるのでしょうか?月額給与、賞与が確定し、その年が明けると源泉徴収票が発行されます。この源泉徴収票には、俗に言う手取り額は記載されておらず、「支払金額」の欄に給与、賞与の額面合計が記載されます。ボーナスは給与所得の一部ですが、年収が確定しないと正しい税額の計算ができません。
そこで、「年末調整の対象者は、賞与から差し引かれた源泉所得税額の精算が終了」、「年末調整の対象ではない者は、賞与から差し引かれた源泉所得税額の精算が未済」だという点を覚えておいてください。